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ミケ生誕記念作品集

第1章 お伽噺のように結ばれたい





「5番、ユリア・アナスタシア!」

「は!!」


教官がユリアの名を呼んだ。



王子様。
それはユリアが夢見ている“運命の人”のこと。



絶対にいる。あたしの運命の人。



ユリアは辛く厳しい訓練兵での三年間に後悔はない。
憲兵団に入り、内地で必ず幸せな家庭を築く。
それがユリアの幼い頃からの夢だ。
夢はもう目前に迫っている自信があった。


ちなみに理想は金髪で背が高いのは絶対。あとは自分が兵士だからか、すぐに諦めない人がいい。察しが良くて、機転がきいて、“俺についてこい”タイプがいい。それにプラス、カッコよく馬に乗って颯爽と現れたりなんかされたら……ああ、最高。

家は小さくてもいいけど、子どもは二人欲しい。自分が一人っ子だからきょうだいは居た方が寂しくない。

ユリアはその理想を周りに語っていたが、皆が笑い、「理想高すぎ」「そんな都合のいい王子様なんている訳が無い」「イタいやつめ」と口々に言った。

ユリアは涙目になって、「絶対に王子様を内地で見つけてやる!バーカ!」と言い放って逃げた思い出がある。




そして兵団選択の日。

ついにユリアは見つけた。

最高に理想の王子様を。




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