第2章 【R18】馴れ合いでもいい
「ちょっといいですか、ミケ分隊長」
執務室の扉が開けられるなり、ケイトは紙をミケに突き付けた。
「あの、これでは予算オーバーなんですが。きちんと計算してから出していただけますか」
「すまないが、とりあえず中に入ってくれ。別の仕事もあって立て込んでいる」
ケイトとミケの立場は総務と分隊長。
そして。
「ん、ふ……っ」
「はっ……ん、」
お互い、扉が閉まると抱き締めあって食らいつくようにキスをする。
二人は交際していないが、所謂身体の関係だ。
それは去年のミケの誕生日だった。
全くミスのなかったミケの分隊。関わるならば予算オーバーの際に訂正を求める時位なのだが、本当に関わりがなかった。しかし、ある日総務室の近くの部屋で行われていたミケの誕生パーティーの前を通りがかった時に、酔っ払ったミケがケイトを引っ張り入れたのが始まり。
兵団幹部や分隊の兵士が居るアウェイな空気の中、口うるさい総務室と若干毛嫌いされているケイトは、戸惑いながら酒に口をつけた。
酒は弱い。かなり。この日、パーティーが終わってからの記憶は無い。朝目を覚ますと、乱れたベッドにミケと横になり、痛む下半身と怠い身体がその証拠。
ミケと関係を持ったのはその日から。