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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


2人にからかわれてるとスマホが鳴って、この時間なら確実に青峰君で、意味もないのに立ち上がって電話に出た。

「もしもし」

「試合見れたか?」

「うん。見れた。オメデトゴザイマス」

「なんで片言なんだよ。でもありがとな」

青峰君の声がこんなに頻繁に聞けるなんて思ってなかったせいで何を言っていいのか分からない


「だいちゃーん!!お疲れ!勝ってよかったね」ってさつきがあたしの横から電話口に向かって話しかけてくる。

「さつきと一緒か?」

「うん。さつきと美緒と一緒に見たの。すっごい大騒ぎして」

「ははは!楽しかったか?」

「すっごく楽しかった!3月行くの楽しみすぎる」

「火神んち泊まるんだろ?」

「あ、そうなの!ホテルより安全だからこっちにしろって大我に言われた」

「俺もそう思う。火神んちなら俺も泊る予定だから」

「そっか!ホント仲いいよね」

「だから仲良くねぇって。ワリィけどさつきに代わってくんね?」

青峰君にそう言われてさつきに電話を渡す。

「もしもーし」
……
「えー!お願いしますって言ったらいいよ」
……
「え?なに聞こえない」
……
「どうしてそれが欲しいの?」
……
「そうじゃなくてどう思ってるか聞いてるんだけど」
……
「しょうがないなー。明日送っとく」って笑ってる。


さつきが話し終わってまたあたしに戻ってきた。
「もしもし」

「ちょっと部屋移動できるか?」

「うん」
何だろ。二人にごめんってして寝室に入る。

「移動したよ」

「お前のお陰で最後決められた」

「青峰君の実力だよ」

「みさきに応援されたらすげぇ頑張れる」

「え……本当?」

「あぁ。時間が合う時だけでいいから試合前声聞きてぇんだけど」
うそ…嬉しすぎる。
きっととてつもなく大きなプレッシャーの中で戦ってる青峰君があたしを必要だって思ってくれてるならできることはなんでもしたい。
女の人として見てもらえなくても必要としてくれるならそれも悪くない

「あたしで良ければ」

「お前がいい」
ドキッとした。そういう意味じゃないって分かってても心拍数が上がって顔が赤くなる。

「じゃあ電話させてもらいます」

「よろしくな。そろそろチームんとこ戻んねぇとやべぇから切るな」

「うん。電話ありがとう。試合お疲れ様でした」


なんか今日最高の1日だったかも。
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