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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


それぞれの考えたクリスマスメイクをするんだけど今日はそれに使うメイク道具の撮影をする

明日は実際にモデルを使ってメイクして撮影をする

あたしはどんなメイクでもベース重視
もはやベースより重要なことなんてない位に思ってる。

テカリじゃなくてツヤ。ラメで作るツヤよりも自然な水光肌のツヤ
でも崩れにくくて長持ちするってのを大事にしてる

一押しのベースメイクたちを美術さんが用意してくれた小物と一緒に撮影する。

人と違うからすぐに撮影ができて少しだけ小物を変えたりもするけど大体は1発OK

それでも4人分を撮影するとなると時間はかかるから、撮影を終えたらもう2時だった

帰って3時お風呂入って4時…
頭の中で計画を立てながらタクシーで帰宅した。




取り合えずメイクの道具のお手入れをして自分もお風呂に入って…


頭と体を洗ってから寝ないようにスマホを持ち込んで湯船に浸かった


それなのに…


いつの間にか蓋に突っ伏して寝てしまって、甲高く鳴り響く着信音で目を開けた

『はい…』

「わり、寝てたか?」

「青峰君……あれ…?これ夢?」

夢だか現実だか分からなくてついついアホっぽいことを言ってしまった

体を包むお湯がぬるくなって、既に暖かさは感じなくて徐々に現実に引き戻された

「大丈夫か?」

「あ…お風呂で寝てた」

「あぶねーな」

「ちょっと最近忙しくて」

「黄瀬に聞いた。大丈夫か?」

「うん。明日はゆっくりだから。あ、もう今日か」

「とりあえず風呂から出ろ」

「あとで電話してもいい?」

「眠くなきゃして来い。眠かったら寝ろ」

眠いけど青峰君の声は聞きたくてお風呂から出たら折り返すことにした

こういう時長い髪だと乾かす時間がもったいない。
それでもぬれたままにして次の日大変な頭になるのが嫌で、面倒くささと格闘しながら乾かした


あたしが寝る用意を済ませて電話を掛けたらすぐに掛け直してきてくれた

「寝る用意したか?」

「うん。今もうベッドに寝転がってる」

「忙しいんだな」

「今は結構忙しいけど、お仕事もらえて嬉しい」

「そうか。無理すんなよ」

眠いけど切りたくない
でも…眠い

「…うん…だい…」

大丈夫って言ったつもりだったのに言葉にならなかった

「…おやすみ」

優しい声が遠くで聞こえてそのまま眠りに落ちた
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