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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所



「あ、青峰君電話終わったみたいです」

「すっげぇニヤけてて声かけずれぇわ」

「ちょっと観察しましょう」

「なんか見てますよ。写真ですかね」

「この間俺がメイクしてもらった時みさきっちが青峰ッちからもらったピアスしてたからそれが写るように撮って写メ送ったっす」

「さつきも黒須さんの写真を青峰君に何枚も送ってました」

「あー、俺も送ったけど俺のは消せって言ったから消したはず」

「火神君甘いです。青峰君が素直に言うことを聞くとは思えません」

「あ、スマホ置いたッス」

「なんか言ってます」

「“3月か、なげーな”って言ってるッス」

「お前すげーな」

「バスケで身に着けた特技の一つっスよ。読唇術ってやつッス」

「3月に会うってことでしょうか?」

「そうじゃね。3月ならみさきも仕事ちょっとセーブしてるから休み取れんだろ」

「えー、みさきっちがいないと俺のメイク困るッス。青峰っちは帰国までみさきっちに会うの諦めて」

「それは黄瀬君の都合です」

「だな。黄瀬の都合なんて一番最後だろ」

「二人とも酷い!」

「うるせーよ!青峰に気づかれただろ」







「お前ら……何やってんだよ?」

「青峰君の観察です」

「はぁ?」

「顔緩みすぎですよ」

「緩んでねーよ!」

「いや、緩んでたッス」

「むしろデレデレだったな」

「はぁ⁉⁉俺はいつもこうだっつーの」

「そんなデレデレの顔で試合してんのなんて見た事ねーよ(笑)」

「火神君。こんな緩んだ顔で試合してる訳ないじゃないですか」

「迫力なさすぎッス」

「お前らマジで黙れ。火神はみさきを膝枕すんな!黄瀬は進藤に余計なこと言うな!テツはさつきの料理何とかしろ!キノコ束のまま食わされるぞ」

「膝枕ってなんスか⁉」

「青峰君…それは無理です」

「進藤に何言ったんだよ」

「とにかく俺は緩んでねぇ。つーか夕飯どうすんだよ?」

「出るか?」

「そうですね」

「何が有名なんスか?」

「ボストンならオイスターハウスだな。ロブスターとか」

「またエビかよ」

「「また?」」

「なんでもねーよ!そこでいい」




火神には分かる。
青峰と目を合わせて、2人だけで言葉のない会話を交わした
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