• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


「そーいえば青峰っちたちは試合いつなんすか?」

「開幕戦から4日後が初戦だな」

「こっちは青峰たちの前の日」

「見たかったっス……」とか言って嘘泣きするモデル兼俳優
コイツがイケメンなのは知ってるけど普段の黄瀬にかっこいい要素なんて顔以外ひとつも見当たらねぇ。

涙目で目尻を下げる黄瀬を見て、みさきが試合見に来るっつってたのを思い出してスケジュールを送った。

電話を入れておこうと発信画面を出したところで、向こうが早朝だったことを思い出して電話するのをやめたのに手からスマホが滑り落ちて発信ボタンに触れたせいで電話がかかっちまって慌てて切った。

ミスった。
まぁみさきのことだから爆睡してて気づかねぇだろうなとか思ってたのに、すぐ折り返しがきた。

起きてたことに驚いたけど、みさきは電話が俺からだったことに驚いてて、番号すら登録されてないのかと思って気分が盛り下がったのは一瞬で「プライベートの携帯にはもちろん登録してある」って言うのを聞いて柄にもなく嬉しくなった。


みさきとプライベートな関係ってのがいい。

用件を伝えるとみさきも昨日スケジュールを調べたらしく、試合を本当に見に来てくれるつもりでいるのが分かって口元が緩んだ。

「最初から俺に聞けばいいだろ」

「練習のじゃましちゃうかなって……」

だから、俺はお前の事邪魔だと思う事なんかねぇの。
それでも俺がバスケに集中できるように気を使ってくれてるのはすげぇ嬉しい。

今までは、こっちの都合なんかお構いなしに“連絡して”だの“今何してるの?”だのやかましく連絡してきた挙句、数日連絡を返さないだけで浮気だの冷たいだの騒がれて泣かれてウンザリだった。
浮気なんて無意味なことは一度もしてねぇのに。


「俺も連絡するからみさきもしろ」

「あの…ちゃんとした用事なくてもしていい?」

可愛すぎる。みさきの話し方とか間とかがいいのか分かんねぇけど聞き方がすげぇ可愛い。
あー……俺も肋間神経痛かもしれねぇな

運転中らしいから電話を切り上げたけど、みさきの言った「またね」がすげぇいい。
“じゃあね”じゃなくて“またね”だったってことは次もあるってことだろ?


直接会えなくても電話するだけですげぇ楽しい。
はぁー……
俺の事好きになってくんねぇかな


つか、好きな奴って誰だよ。
その男、すっげぇムカつく
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp