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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side緑間

NYにいるみさきから帰国したら話があると言われて玲子の予定と俺の予定を確認して連絡を入れる。

俺も玲子もシフト制で中々休みが合わないうえにみさきもメイクの仕事で忙しく3人で揃おうとするといつもかなりの時間調整が必要だったが今回はすんなりと日時が決まった。

話の内容は分からないが、特に火神からも何か連絡があるわけではないからあの時のことではないと思って少し安心する


約束当日は細かく時間は決めないが夕食を一緒にと言っておいたから7時前には帰宅できるよう仕事を調整していたが、患者というものは思い通りにはいかない。

予定を少し過ぎて帰宅すると玲子とみさきが声を揃えて「おかえり」と言ってくれた。


二人が食事の支度をしている間に着替えて袖口に付いてしまった血液を洗い流して洗濯に出す。

リビングに戻ると既に料理が用意されていて3人で食事を摂りはじめた。

みさきが話したいと言ってきたからといって、話すことを急かさないというのは暗黙の了解で、食事中は俺たちの結婚式の話題やみさきの仕事について話をしていた。

みさきが“ケーキを買っていく”と言っていて玲子が出してきたケーキを見て紫原の店のものだと分かった。
みさきがこのカフェをよく使うことは知っていたから驚きはしなかった。

式の後、紫原の店に行ったとき「峰ちんが引っ張り倒した人よくうちの店でケーキ買ってくれるんだけどみどちんの奥さんと知り合いだったんだね~」と言っていたことを思い出した。
俺と知り合いだと言うことは敢えて言わず「世間は狭いな」とだけ返しておいた。

みさきは俺たちの好みを知っているのか玲子にはフルーツタルトで俺にはティラミスを買ってきてくれていた。
俺も玲子もコーヒー派だがよく遊びに来るみさきの為にと玲子は紅茶も用意してあってみさきが来ると紅茶が出る。
玲子のこういうさりげない気づかいができるところが俺はたまらなく好きなのだ。


デザートに手を付けようとしたところでみさきが思い切ったように口を開いた。

「ちょっとね、二人に聞いてほしいの」
あの時ほど悪い話題はないと分かっていてもみさきの声が緊張していて、また何かあったのではないかと心配になったが次の言葉を聞いて俺も玲子も思わず笑みがこぼれた。

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