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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


「あのね…好きな人ができたの」




多分時間にしたら数秒だったと思うけどずっとずっと長い沈黙に感じた。
パパに「反対」って言われたことが頭を過って顔を上げることができなかった。

「みさきちゃん。よかったね」

「俺も嬉しいのだよ」

二人の優しい声が耳に届いて顔を上げるとすっごく優しい顔で笑ってくれていた。

「あのね、二人の結婚式の時に知り合ってその後も何回か会ってて今回のNYでも少しだけ一緒に過ごせたの」

「そうだったの」

「あたし今までずっと人を好きになるのが怖くて避けてたのにその人の事どんどん好きになって、知り合ったばっかりなのに本当に好きで…その人は別にあたしの事好きとかじゃないし、付き合うとかは全然考えられないんだけど、片思いならいいのかなって思えるようになりました」

「そうか。お前がそう思える人ができて俺も嬉しいのだよ」

「結婚式で知り合ったってことはあたしたちの友達ってことだよね?」

「うん。あのね……


あお…みねくん……なの…玲子先生分かる?」

「もちろん分かるよ」

「…みさき、本当にあいつが好きなのか?」

真太郎が驚いたように切れ長の目を大きく見開いてる
まさかパパみたいに“反対だ”とか言うのかな…

「うん。最初は劇的な助けられ方をしたせいだって思ってたし、あたしが誰かを好きになるなんて自分でも認めたくなかった。でも大我に“恋愛しちゃいけない人間なんていない”って言われてもう認めるしかなかった」

「火神の言う通りなのだよ」

少しだけ口角を上げる真太郎を見て反対していないと分かって安心した

「ほんと火神君の言う通りだよ。みさきちゃんは人を好きになる権利も幸せになる権利もあるんだから」

「ずっとお世話になってきたから報告しておきたかったの」

「言ってくれて嬉しかった」

「それにしても、青峰のどこを好きになったのだよ」

それ聞かれるとホントに困っちゃうんだよね…

「うーん、分からないの。初めて目が合った時に何とも言えない不思議な感覚があって、それからずっと頭から離れなくて…」

「そうか。応援してるのだよ」

「うん。あたしも応援してる」

「失恋したときは骨拾ってください」ってあたしが言ったら二人とも顔を見合わせて笑ってる


綺麗な玲子先生と照れ屋だけど誠実な真太郎
お似合いすぎの二人が羨ましい
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