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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


全部の書類にサインを終えて正式に契約となった。

「黒須さんのこれまでの経験が全て役に立つと思います。どんどん案を出してくださいね」と言ってプロジェクトリーダーが握手をしてくれた。

「今日もこれから仕事?」

「今日はこれだけ。夕方真太郎のとこに行くの」

「そうなの?みどりんによろしくね」

ロビーまで送ってくれたさつきと美緒にバイバイして会社を出た。


一度家に戻って出かける用意を済ませて、少し早いけど先にケーキを買っておこうと思っていつものカフェに行った。

「いらっしゃいませ」
可愛らしい学生のバイトさんがにっこり笑ってくれてこっちまで笑顔になる。
玲子先生の好きなフルーツタルトと真太郎の好きなティラミスとあたしの好きなチーズケーキ

少しゆっくりしたいから帰りに渡してもらうことにして、カフェの席に座って紅茶を頼んだ


「あ~れれ、峰ちんの彼女だー」
ゆったりとした喋り方で聞き覚えのある声に顔を上げると真太郎の結婚式で見た紫原さんが紅茶を持って立っていた。

「こんにちは。…みねちんって?」

「みどちんの結婚式で引き倒されたっしょ」

「あ、青峰君のこと?」

「うん」

「いや、彼女じゃないです…」

「え、違うの~?じゃぁクルーズチケットまだもらえそうだね」ってゆったり笑ってる

あはは…もらえるかな。
青峰君モテるからきっとすぐ彼女できると思うんだけどな…

「紫原さんって運んだりもするんですね」

「今日バイトが一人休んじゃったから俺もやってるだけ~」

「大変ですね。お疲れ様です」

「ん。ゆっくりしってってね~」って紅茶を置いて奥に戻っていった。

すっごい緩い。緩すぎる。大きい妖精みたい


出してもらった紅茶を飲みながら久しぶりに読書をしていたらさっきのバイトの女の子がガトーショコラを持ってきてくれた。

「あ、頼んでないです」

「オーナーからです」

「オーナーって?」

「紫原です」

え、オーナーパティシエなの⁉
びっくり。
あんなに緩いのにオーナーなのね。人は見かけによらない


ありがたく頂いて、時間までゆっくりさせてもらってレジに行くと紫原さんが出てきてくれた。

「ケーキごちそうさまでした。とってもおいしかったです」

「また来てね~」

「またお伺いさせて頂きます」
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