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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side黄瀬

真剣な顔で俺を撮るみさきっちとウインクする俺。
ピアスも一応見える

みさきっちの目を盗んで青峰ッちに画像を送った

(みさきっちと仕事っス)

(みさきに触んな)

返信の速さ、過去一

もうホントどんだけ好きなんスか…
この間電話した時もそうだったけど、青峰っちが桃っち以外を名前で呼んでることがものすごいレア

てか、俺は触ってない!


本当は色々聞きたいけど時間切れでスタジオに入った。


アウターやマフラーの撮影で空調管理はされていても汗が滲む。

途中休憩をはさんで一旦画像チェックをしてからまた撮影

脱いでメイク直して着て撮っての繰り返し。

画像チェックでみさきっちが隣にいるときから異様に視線を感じていて撮影をしながらスタジオ内に目線を走らせる。

「黄瀬くん、目線こっち!」

カメラマンにそう言われて撮影に集中するけど、さっきから明らかにみさきっちを見ている二人が何か話してる。

声は聞こえないけどバスケで培った観察眼で唇の動きを読んだ

“ずっと黄瀬君のこと見て” “外注”

距離があってこれしか見えなかったけど今回外注と言われるのはみさきっちとカメラマンだけ。

あー…なるほど

その後も話し続ける二人を見ていると何度も口が“外注”という動きをした


そしてシャッター音が鳴りやんで撮影ブースにいる俺に聞こえてないと思っているのか、興奮して声が大きくなったのか、悪意ある言葉を言ってるのがはっきり聞こえた。

勉強してなかったらここまでうまくなんないし、バッグの件は帰国してうちに来た時に桃っちとか美緒と話してて“分不相応だけど期待してもらってると思って頑張る”って話してた。

俺が撮影ブースから出てみさきっちに向かうとやっとうるさい口を閉じた

全部聞こえてるっつーの…


外注と言われていた時は平気な顔をしてたみさきっちがバッグのことを言われたときは大きくため息をついて少しだけ眉をひそめた。

泣いちゃうんじゃないかって思ったけど、近くに行ってあの表情は怒りだったことに気づいた。

それでも仕事に徹してる。
俺の汗を見て冷やすか聞いてくれたのを断って、俺が二人に向き直るとニコニコと笑顔を浮かべた。


アホすぎて呆れる
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