第3章 こんちわ
「ここが、図書館だ!」
「おぉ」
すごく大きな建物、ここで全てのことが解決しそうだ。
「私、ここよってくよ。道分かってるから」
「おう!!」
「きっくん逃げて!!」
えふびー君がきっくんの首元を掴むと(少し遅いが)走り出した
何?と思いながら反対側を見ると
「きっくんんんんん!!!」
「お昼一緒にどうっ?????」
「せんぱああああああいいいいっ!!」
女子の束、恐ろしいくらいの大群がきっくんめがけて走ってくる
不憫だな、えふびー君
私は忙しそうな二人を横目に図書館へ急いだ
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「おお、すご」
見渡す限り本棚で胸が踊る。
ここの生徒はこれが当たり前で滅多に来ないと言う
私はもったいないとおもった。
音楽の世界を抜け出したとき、すごく不安だったけど、本を読むことでそんなことはなくなった。
「西洋コーナ、コーナ」
私は特に勇者や、魔法使いなどファンタジー系の本が大好きだ。
まだ私の知らない世界があるんじゃないかっていつもわくわくする。
ギリシャ神話や、古事記伝などをよみあさって朝が来たことだってある
「お、ここにもあるんだ」
まがまがしいほど真っ黒な本。
この本は黒貘と言われる女の子たちが自分の理想の夢を求めて、人を殺す物語。
あまりにも、グロテクスなので学校では見たことがなかった
「三巻何処だ?、、、あ」
きっくんよりかは低く、えふびー君よりは高い身長
少し暗い色をした茶髪の人
「あ、すみませんどうぞ」
「女子がこれ読むなんて珍しいな」
どこか気だるげ、声が低いからだろう。
だけど、どこか同類な気がする
「俺、りょくし。えおえおって呼ばれることが多いけど」