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モデルのボーダー隊員~番外編~

第4章 年中行事〜大晦日&正月〜


1月1日 元旦

『あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!』
「そして...!」
『いただきまーす!』

お正月特有の長ったらしい挨拶はなく、お決まりの言葉を皆で揃えて言えばキラキラした笑顔が見れる。
そしてと声を掛けた林藤さんに、いただきまーす!と大きな声で答えたみんなは、もうテーブルに並ぶ料理に釘付けだった。

あちこちから上がる「美味しい!」の声に、レイジさんと僕は心が暖かかくなるのがわかる。

「明希ちゃん本当に料理上手いよね!お雑煮のこの味私好み過ぎる!」
「ありがとう。まだ一杯あるから、お替りが欲しい時は言ってね」

そう言ったら「お前もちゃんと食えよ」とレイジさんに言われてしまった。
わかってますよ〜。レイジさんの料理美味しいもん。食べないなんて選択肢は最初から無いよ。

それはさて置き、レイジさんから聞いてはいたけど、正直こんなに来るとは思わなかったな。

「何これ超うめぇ!」
「マジでこれ全部手作りとか木崎さんパネェ!」
「もう少し静かに出来ないのかなぁ、あの人達。五月蝿いったら無いんだけど」
「祝いの席だし、木崎さんの料理美味いのは事実なんだから仕方ないんじゃないか?多分」
「餅がいつもより美味く感じる」
「食べながら話すな。汚いだろ」
「諏訪ーあれ取って」
「ん?ほらよ」

上から公平君、陽介君、菊地原君、歌川君、太刀川さん、風間さん、寺島さん、諏訪さんの合計八人が来ている。
会話から察するに、公平君と陽介君は今年が初めてのようだ。
お節を作りながら「こんなに沢山作って、みんな消費出来るのか」と心配だったが、それは完全に杞憂だった。
育ち盛りの高校生男子に、大食らいの男性三人と普通の諏訪さん。このペースだと明日のお昼には無くなる。

「明希?腹減ってないのか?」

ずっとお料理の消費ペースやゲストばかり見ていたせいか、向かいに座っている悠一に食欲がないと思わてしまった。

「ううん、空いてるよ。料理の消費ペースが早いなぁって見てただけ」
「見てないで食べないと。せっかく美味いのに勿体ないぞ」
「そうだね。今からちゃんと食べるよ」

そう言って伊達巻と鰤を取って食べる。
ほんのり甘くて柔らかい伊達巻はお節の中でも特に好きだ。鰤は煮たタレがよく染みていてパサパサしないけどくどくもなくて美味しい。
自然と幸せな気分になった。
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