• テキストサイズ

彼女は今日もヒトリで。

第2章 独占したかった男と、天才。



「居ますね…鈴木 俊彦(スズキ トシヒコ)、夫妻の仲を自分の事のように感じていたそうです。
付き合い始めた時や結婚の時も自分が幸せになるかのように思い出話しを周りに話していたようです。」



「……。」



「しかし、鈴木にも動悸がありません。」



「…犯行現場についての説明が無いのに解決しろと言うのは少々おかしいと思うね。」



「すっ、すみません!」



 現場の説明を長々とし始めた。



 ソファで眠っていた平助さんの近くに仰向けになった京子さんが居た。

京子さんの死因は胸や腹に刺された刃物による刺殺と思われる。



「恨みを持っていたのだねぇ…」



「恐らく。」



「ふむ…男の精神状態に興味が湧いた。
私が直々に現場へ行こう。」



 店の奥へ行き、上着を羽織りながら戻ってきた。



「異論がある者には東一郎に許可は貰ったと言え。
私は精神状態と心理状態を考えているから問いにも答えないよ。」



「はっはい!!」






「……そう言えば君、幾つだい?」



「僕ですか?今年で25ですが…」



「童顔なのだね。……おや、眉間にシワがよった。
コンプレックスだったのだね。すまなかった。」



「……いえ。……っと、着きましたよ」




 それからは現場についても秋風一織は声を発さなかった。



「佐藤、あの女誰だ?」



「一般人」



「はぁ!?あの美人ちゃん一般人なの?」



「…何が言いたい」



「モデルか何かやってるかと…」



「あの人はそういうのじゃねえっての。」



 部屋の外に追い出された僕達は、呼び戻されるまで話している。






「……京子が俺を愛していれば、こうはならなかったんだ。」






「!?」



「え、ちょっと待って?!」



 あのセリフ、あの美人ちゃんが?と言いたげな同僚。



「…僕はあの人を呼んだ方が事件解決出来ると思っただけで、あの人の事は知らない。」



「ふぅん??」



「……その気持ちわりぃ顔やめろ」



 同僚はニヤニヤ、ニマニマと言葉に言い表すには難しい気持ち悪い顔をしていた。



「じゃあ、俺が狙ってもいいって事ねぇ」




/ 6ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp