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彼女は今日もヒトリで。

第1章 出会いは、天才。





「えーと…‘古本屋 迷宮 ’…って、ほとんど色落ちてんじゃん」



 ボロい、汚い。そう感想が出てくるも、窓の隙間からうっすらと見える店内に興味が湧いた。

シャッター通りで、こんな入り組んだ場所に店を置く物好きに会ってみたくなった。


 恐る恐る、店のドアを引いた。



「……あれ、開かない?……あ、開いた」



 どうやらこのドアは引いて開けるのではなく、押して開けるものだったようだ。

ドアを開いた時に鳴る、鈴の音が店内に強く響き渡る。

店内に足を入れ、中を見るとそこには図書館よりも大きい本棚が所狭しにと並んでいた。

その本棚はとても大きく、棚に接するように二階、三階が作られていた。

店内にホコリが遊んでいるかのように舞う中、僕は唯その場に立ちすくんだ。


 すると、店の奥からゴゴゴォっと地鳴りのような音が響いた。

音に警戒し、近くの棚の死角に入ると、次は女の声が響いた。



「おや、珍しい客と思ったが…これはこれは……とても珍しい。」



 珍しい……?何の事だ。と、訝しげに居ると



「こんな汚い所に警察がねぇ」



 __ヒョコッ__そんな効果音が会う、現れ方をした女。

しかも、僕の目の前に宙吊りになりながら。



「うわぁぁぁあ!!?」



 後ろに棚も何も無いところに後退り、尻もちを着いてしまった。



「こんな若造が来るとはなぁ。物好きな者もいるのだねぇ…」



 はっはっはっ、と高笑いをあげながら、女は落ちてきた。

僕に背を向けた女は顔だけをこちらに向けた。



「……で、何が望みだい?」



 笑っていた声を低く落とし、柔らかい眼差しは鋭いものへと変わった。



「金?女?……それとも、この天才脳?」



 右手で銃の形を作り、頭へと向けた。



「……自分で天才と言うなんて、ナルシストか何かですか」



「いいや?私は天才だよ。あのアインシュタインよりも高いと思うよ。」



「はぁ…」



「彼はIQ160と仮定すると、私は190だ。
ここで私の天才脳の解説をするのもなかなか興味深いが、君の用を聞いてからにしよう。」



「僕は……」







































「貴方に捜査を手伝ってもらう為にここに来ました。」




続く→
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