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彼女は今日もヒトリで。

第1章 出会いは、天才。




 三月下旬某日、ここは警視庁 捜査一課。

そこで働く僕、佐藤 結都(サトウ ユイト)は現在進行形でくっそ眠いです。



「さとぉー…これ頼ん……だ…」


「おう。って、仮眠室行ってから寝ろ」



 既にボロ雑巾のようにデスクの上に頭を伏せている同僚から見直しするだけになった報告書を渡された。



「あー、女子高生好きの強姦魔の報告書(やつ)か…」



 笑顔が似合う男が女子高生を見境なく襲った事件だ。

現場に精子が残っており、その男は以前、暴行罪を犯して居たらしく、データベースに照合したら見事に一致した。

その後はトントン刻みで有罪に持ち込めた。



「あ、僕も聞き込みやんねぇと」



椅子から立ち上がり、身なりを簡単に整えていると



「佐藤。お前はここに聞き込みをしろ。」と、


所々ストレスによる白髪が目立つ警部がメモを持ちながら言った。



「えっと、ここは……?」



 メモを開くと、そこには住所が書かれていた。
しかも、シャッター通り。



「ここに聞き込みを!?」



 警部に異論を述べようとしたら既に席につき、仕事を再開していた。



「んのクソジジイが……」



 しかし、自分よりも地位が上なので従う他無い。

時々出る暴言はご愛嬌として彼も見逃してくれる。

仕方なく、メモに書いてある住所に向かった。

人っ子一人おらず、ただ不良に荒らされたシャッターが降りている店が並ぶばかりだった。



「(ここに聞き込みって…人の気配が無いのに。)」



 ここに警部は何があると思ったんだか。と呆れながら通りを歩いていると
路地裏から光が漏れているのが見えた。



「(誰か住み着いたか……?)」



 いつもなら自分の仕事を優先するが、
この時だけはそこの光に興味が湧いた。

シャッター通りという特殊な場所にいるからだろうか。



「っと、此処か……?」



 光源へ着くとそこはどんな構造なのか、開けた場所だった。

開けた場所の奥をよく見ると、薄汚い小さな店があった。
というよりも、小屋と言った方がわかりやすい。



「えーと…‘ 古本屋 迷宮 ’…って、ほとんど色落ちてんじゃん」







続く→
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