第10章 闇 希望
「花奏ちゃん、そうだ、もうひとつ選択肢をあげるよ。このまま俺と木ノ葉を出るってのは、どう? 」
ヤナギが、
ひらめいた笑顔で言う。
「花奏ちゃんが約束するなら、抜けたあと、ろ班全員、解放するよ。 カカシも死なないし、大切な仲間も死なない。花奏も死なない。みんなハッピーエンドだよ」
な? と笑って言うヤナギを、私は、固まって聞いていた。
「嘘だ、花奏、信用するな!」
パックンが私の足に
手をついて言う。
「……パックン……」
「花奏ちゃーん。 あーあ、俺さー、いま気分が変わった。 ろ班のヤツ、ひとり首飛ばすわ。 だれがいい? 俺の真剣さが伝わらないだろ?」
腕を組んで悩む姿に、私は叫ぶ。
「やめて!! お願いだから、そんなことしないで!」
私は縋る目でヤナギを見た。
「カカシが死ぬか、花奏ちゃんが俺と里を抜けるか、どっちがいい? 」
指を折って、どっちにする?と
迫り笑うヤナギの顔が、
恐ろしく
冷酷に映った。