第10章 闇 希望
ーー20分前……
カカシが出て行き、パックンの気配を感じた私は、意識を飛ばしていたのに、目を開けた。
「……パックン……?」
どれほど熟睡しても、身体がぼろぼろでも、カカシ以外の気配を感じれば、目が覚めた。
カカシがそばにいると、いつも安心できた。
飾らない彼といる空気感が好きだった。
モヤがかかり、なんか白い。うつろな目で、ベッドにひょこっと飛び乗ったパックンを見た。
ぼんやりして、焦点が合わない。
身体がだるくて、重い。
「カカシが、さっき出て行ったぞ」
枕もとに座ったパックンが、私をみて言う。
「そっか……」
かすれた声で言った。声がガラガラだ。本当に風邪をひいたみたいだ。鳴きすぎた。
「そうだよね」
カカシ、隊長だもんね。むりに決まってるよね。だいじょうぶ、わかってたよ。
ちょっと
言ってみただけ、だから。
困った顔で私は、ひとり笑った。
ふと、自分の身体を動かしたとき、
気づいた。
「……うっ……」
情事の匂いと汗で、べとべとで、
私の身体が、大変なことになっている。
「シャワー、浴びるね」
パックンに言って、布団から出ようと、身体を起こした。思ったように、力が入らない。
「あたたた……」
手を腰にやった。 じわじわとくる痛み。 身体が動かしにくい。まだ、なかに入ってる感覚があった。
手に力を入れて、ぐっと身体を起こし、ベッドから、ゆっくりと立ち上がった。
「…あ、ああ……」
どろっと、生暖かいものが、流れ落ちて、内ももをつたう。カカシが、情事で吐き出したモノ。とめどめなく溢れでる白い液。
途端に自分の顔に、熱が集まり、すぐに口もとを手でおおった。
「も、もうーー…カカシ、なに考えてんのよ……。 だ、出しすぎ……」
交わりのなか、カカシはぜんぶ
私のなかで弾けた。
『そっちのほうが気持ちいいでしょ? あと、時間の無駄』
なんて、カカシが、あっけらかんと言った。
それを聞いて、媚薬で侵されながらも
私は、とにかく恥ずかしかった。
『花奏……』
カカシが果てるとき、私をずっと見つめた。視線を逸らさずに、抱きしめながら、指を絡めた。
私の名を何度も呼んで、汗ばんだ姿が色っぽく感じた。