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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第28章 お弁当




「……た、ただいま…?」

そっと扉を開いた。
返事はない。もう8時を過ぎてて……。寝息だけ寝室から届いた。


……よかった。
私が出て行ったあと、カカシは再び眠ったようだ。はぁ、と息をはいた。

洗面台で手を洗い、寝室に足音を立てずに歩いた。
寝てくれてるから、よかった。

整った綺麗な顔をのぞいた。顔に髪がかかって、こそばそうだ。柔らかな銀髪を指で優しくさわった。

「……おそい」

次の瞬間だ。背後から長い腕が私の背中に回る。そのまま私の身体を勢いよく引き寄せる。

「ちょっ…!!」

足がもつれてバランスが崩れる。そのままカカシの胸元にダイブした。

慌てたのは私だ。

「ああ危ないよ、もう。カカシ大丈夫?痛くない?」

「……おかえり」

戻った声色は重低音で
私がサスケくんの家に行く前より
トゲがある。とんがった言い方だった。


「えっ……と、なんか……怒ってる?」

隙間なく私を抱くカカシの顔を
恐る恐る見上げた。

「なーーんにも怒ってないよ」


目は薄い半眼で
口は一文字に閉じて
眉間にシワまで寄せて。

そりゃあ、
むすっとした顔で。



「花奏いい度胸してるね」

「え」

「他の男の匂いをつけて帰ってくるなんて、オレを挑発したいわけね」

カカシの言い方には語弊がある。

「ち、ちがうってば」

「ま、アイツは気づいてないか。虫刺されと思ったかもね」

首すじに付けた刻印に
キスの上書きしたカカシ。

「ん…ん、…あ、あの……ご飯食べよ」

甘いキスが首から鎖骨に滑り落ちる。
びくんと身体が跳ねてしまう。
カカシの動きが止まらない。


「こっちから食べるわ」


ぽすんと、私をベッド寝転ばすと、
そのまま身体を重ねた。

「デザート食べたい」


甘く囁いたカカシは、
情欲的に笑みを浮かべた。

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