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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第7章 猛毒


何度も何度も、
抱かれたあとだった。

やっと、目の前が真っ白になって、気が遠くなっていく。

「カカシ…………、ひとつだけ……わたし、あなたに……おねがいがあるの……」

身体を、ぐったりと寝転んだ状態で、目がうつろになりながら、わたしは言った。

「……なに?」と、カカシは、少しだけ、息を切らしながら言う。

やっぱりカカシのほうが体力がある。余裕がある。さすがだな。

「わたしが……目が覚めたときね、……そばにいて……ほしいの」


「……わかった」

すこし、間があったあと、わたしの髪を撫でながら、カカシは言った。

わたしは苦笑いを浮かべる。
ゆっくりと瞳を閉じた。

「……ありがとう」

ポロッと涙が流れた。

「花奏、もう泣くなよ。 オレが悪いことしてるみたいでしょ」


「ふふふ、ごめん、そうだね。カカシ……ありがとう」

掛け布団をかけてくれて、わたしをぎゅうっと背中から抱きしめてくれる。

今日の朝してくれたみたいに、やさしくて、気持ちいい。安心する。


今、朝とは、
まったく気持ちが違うよ。
離れたくない。

そばにいたいよ。

「おやすみ」


私の髪に、キスをしたカカシ。


ふわふわと、薄れゆく意識のなかで、聞こえたカカシの声は、優しくて、あたたかった。



「カカシ……」


気づいてないんだ。

あなたが、私にウソをつくとき、声のトーンが、ほんの少しだけ落ちるのよ。



「影分身か、パックンをおいていってね……寂しいから」

最後に言ったあと、
わたしは意識を飛ばした。

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