第7章 猛毒
カカシに、おんぶしてもらい
木ノ葉病院へ向かった。
病院で媚薬の解毒剤を服用しても、
一切効果は無かった。
それどころか、解毒剤を服用した事で、さらに効力が膨れ上がり、その場にいた医療担当者は、頭を抱ていた。
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「……花奏、待て待て!何やってんの! 風邪を引いてしまうだろ!」
カカシのアパート玄関に着いた瞬間、任服を脱ぎ捨てて、浴室へ走り蛇口を回し、冷水を頭から浴びた。
「放っておいて!! イヤ!! イヤ!」
頭は延々と欲情に溢れてしまい、気持ちが悪い。早く早く効果が切れて欲しいのに、底無し沼のように強くなる媚薬の力に恐怖を抱いていた。
「だからって、そんな事をしても、効力は弱まらないのは、知ってるでしょ、お前は!」
シャワーを止めに、中へ入ってきた
カカシが叫ぶ。蛇口を止めて、掴んできた腕を振り落として、カカシを睨んだ。
「頭が今おかしいの!! 気持ち悪い!冷静になれないの。お願いだから触らないで! 今来られたら、本当に我慢が出来ない!!」
「…………落ち着け……わかったから」
カカシが近くにいるだけで興奮してしまう。兎に角今は、近寄らないで欲しい。こんな姿を見せて、カカシに幻滅されたくない。
「お願い……カカシ、お願いだから、向こうへ行って?」
縋るように涙目になってカカシにお願いをした。この場から消えて欲しい。カカシに不快な気持ちを、させたくない。
「……とにかく、一緒にここから出ないか?風邪を引くよ、そんな格好じゃ」
カカシが溜息を吐きながら呟く。
「…………カカシだけ出て行って、今すぐ」
「また冷水ぶっかかるつもりでしょ?それはさせないよ。……分かったから」
常に冷静沈着で優しいカカシを見つめ、
私は鋭くギラギラした瞳で笑った。
「なにがわかったって言うの?? どっか行ってって言ってるじゃない!! じゃあ、抱いてよ!今すぐ、今すぐが良い……お願いカカシ、抱いてよ……気を失うまで抱いて? めちゃくちゃにして、お願い……!!」
媚薬の濃度が濃すぎて冷静になれない私は、カカシの任服を脱がそうと手を出していた。我に返って、すぐに手を引っ込めて、頭を掻き毟り、下唇を噛んだ。
「出来ないなら、もうこの場からいなくなって!!」
ボロボロに泣き叫んで、
カカシの身体を押していた。