第23章 戦闘と平和の狭間
「じゃあ、問題ねーよ」
「ーー!?」
次の言葉がすぐに出てこない。
私があまりに驚きすぎているのだ。
「…サスケ君?」
目を瞬かせた。幻聴?幻覚?頭は混乱した。
私の両手の力がらゆるんだ途端に、ニヤリとした小さな唇が重なる。2回、3回触れては、離れるを繰り返した。
「…ッ!?」
さすがに4回目は阻んだ。ぎゅっとサスケ君のうなじ部分に手を回して、鎖骨に引き寄せた。
「だ、だめ…なの…もう…!」
将来初めてのキスが私だなんてバレたら殺される…!!
恐怖心が膨らんだ。
「……サスケ君…ダメだよ」
抱きしめた手で小さな背中をなでた。抱き枕みたいでホッとした。落ち着く。子どもは宝だと、猿飛さまが話していた意味がわかった。
「……もう………でも、元気出たよ。がんばる。サスケ君ありがとう」
「花奏、絶対帰って来いよ、約束だからな」
「うん。わかった」
私が素直に言うと、サスケ君は小さな手を私の腰に添えた。
「花奏……」
「なに?」
そう聞いても口を
つぐんで言わない。
「帰ってから言う…だから、死ぬなよ」
「ふふふ、わかった」
なんだろうか。肩を揺らせた私。
優しい気持ちが溢れた。
「花奏…おやすみ…帰ってきてよ、ぜったい…」
ふわふわする意識のなかで聞いた。
サスケ君の声。懇願する声色を。
「うん…わかってる……おやすみ」
サスケくんと私は、そのまま合図のように深い眠りについた。