第18章 うちは一族として
「っ!!!」
イタチは花奏の姿に思わず顔を背けた。心ならずも熱が顔に集まる。
パジャマがビリビリと破れて、花奏の身体が大きくなってゆく。コートに包まれた中は裸だろう。
「な、なにか…」
イタチはすぐに巻物から毛布を取り出した。それをかけたが、意識を失ったままだ。花奏は目を瞑ったまま。
「……花奏さん」
毛布の上から肩を掴んで、ゆさゆさと揺らした。彼女の声が聞きたい。
「ん……」
久しぶりに聞くあたたかい吐息に、
安堵した表情を浮かべた。
イタチの腕の中で横たわる花奏は、
おとぎ話に出る眠り姫のように綺麗だ。
紅茶にミルクを入れたみたいな髪は長く伸び、色白の透き通る艶のある肌。柔らかで触れたくなるような唇。長いまつ毛が微かに動く。
イタチは一つ一つの小さな動きに、
自然と目を奪われていた。
ーー触れたい。
もとに戻った彼女の柔らかな頬に、ゆっくり手を伸ばしたときだ。
「ん……」と眉間に深いシワを寄せて、
花奏は重いまぶたをあげた。