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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第17章 答え



正しい「答え」はない。



だれもが幸せになれると

救えると

思っていない。





ならばせめて。

そう……せめて。

生きるすべてを使い

いちばん

大切なモノを守ろうと思う。



命よりも大切な人を
守れるように。








監視の目が一瞬、緩まる。



イタチは見つからないように、森を抜けてアカデミーへ向かった。


サスケと花奏は、
影分身に任せた。

ここは、うちは一族が、
修業で使う森。


修業相手が、一瞬で影分身に変わる。
しかしサスケは気づかない。
そのまま、分身の術をイタチの影分身に習う。


赤子の花奏も影分身を受け入れる。
影分身がシートを敷いて、抱かれたままの花奏。泣き疲れたのか、腕のなかで気持ち良さ気に眠った。




イタチの影分身を、
小さな赤子の花奏は
昨夜、完璧に見極めた。

昨夜は、あんなに泣いて暴れたはずなのに
今日は大人しく影分身に身を任せている。


イタチは急いでいたせいか、
ホッと胸を撫で下ろした。

花奏が泣いて暴れてしまわぬか
いちばん心配だったからだ。




空気を……読んだのか?
いや、
まさかな……。


フガクの目から、
花奏を
逸らすために修業に向かった。



花奏の、泣き疲れた頬が己の顔に触れたとき、目を閉じて、その温かさを感じた。

赤子の柔らかい感触と匂い。

小さな身体。



それは、
ほんの一瞬の癒しであった。







ーーーーーーーーーー


ノックを3回。扉を静かに叩く。


暗部のお面を頭につけ
息を吸った。

「失礼します」

アカデミーで、上層部が待つ扉を
イタチは静かに開けた。



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