第17章 答え
「なんでコイツが、またいるんだよ!」
可愛いクマの絨毯が敷かれた床で腹や両手足をつけた赤子に、サスケは指をさした。
イタチの自室でオットセイが進むように、ハイハイ?っぽく動く花奏。
寝返りはすでに克服し、今は動く練習をしているようだ。赤子は口からよだれが垂れた。
「あぅーー、あぅあーー」
なんか言ってる。さっぱり分からない。サスケは余計にイライラが増幅した。
「そう言うな、サスケ。 困っていたらお互い様だろう?」
ガーゼのハンカチで口を拭いてあげるイタチ。当番制で務める。3人で回せばすぐに回ってきた。
「コイツじゃない。花奏ちゃんと言えよ?」とイタチ。
「花奏……ちゃーーん??」
兄さんはとうとう頭がおかしくなったんじゃないの?!「ちゃん」だなんて、誰かに言ったこと、聞いたことない。
サスケはますます不満を募らせた。最近赤子にばかり気が向き、自分の修行に付き合ってくれない。
「だいたい……コイツ」
「サスケ」
静かに制すイタチ。
「……花奏……ちゃ、ちゃん……」
こっぱずかしい。なんでオレが?サスケはくすぐったい気持ちでいっぱいだ。
「兄さん、なんか、大きくなるの早くない?」
前に会った日から、日はあまり経ってない。成長スピードが速すぎるのだ。7歳のサスケもさすがに疑問を持つ。
「……成長が早まる術に、今かかってしまっているようだ」
いよいよ理由が見苦しい。おかしな方向に話をしたイタチは、必死に笑うのを堪えた。
「……術??……そうなんだ……」
聞いたサスケは
理解出来ずに頭を傾けた。