第4章 15分
暗部本部の待機所へ、
カカシと私は、急いで足を運んだ。
「テンゾウとイタチはいるか!?」
カカシが声を荒げ、待機所の中へ入ると、甘ったるい声が部屋に響いた。
「カカシ隊長じゃないですかー!待ってましたよーー?もうーー遅かったですね!」
ソファに座るボタンが、瞬身の術を使い、一瞬でカカシの近くに寄ってきたけれど、バッカじゃないの。こんな所で術なんか使って。
「っ!?ボタン!?離れろ、おい!」
胸をこれ見よがしに押し付けて、腕組みをするボタン。カカシは、身体を仰け反って困っているのに、まだ止めない。
「えーー、いいじゃないですか。少しくらい♡」
カカシと同じ狐面で、寒色系の色が塗られている面を頭につける、暗部1年目、新人の17歳。
入隊当初から、カカシが大好きなくノ一。可愛い女の子でちょっと強引で、恋と愛に生きるくノ一だ。
「ダメですか?カカシ隊長……」
大きな瞳を輝かせて、カカシを見つめるけれど、ちょっとばかり、さすがに引いた姿を見せる暗部ろ班、隊長。
カカシは、ボタンの肩を掴んで、ゆっくり引き離した。
「あのな、悪いが退いてくれ。急いでんの。おい、テンゾウ、仕事だ。すぐに用意しろ」
「仕事ですか、分かりました!先輩」
と声を出したのは、猫面をつけたテンゾウ。一番奥のソファでのんびりと、本を読んでいた。イタチを探して見渡すカカシ。
「あれ……イタチいない……ね」
私も同じように探してるけど、席にいない。
暗部の待機所では、テンゾウ、ボタン、夕顔、他、今日が休みではない、ろ班の男女が、コの字に置かれた背もたれのあるソファに座っていた。あれ、ヤナギもいないな。
待機の仲間たちは、本や雑誌を読んだり、コーヒーやお茶を飲んだり、皆、のんびりと任務が入るのを待っている。
あれ、イタチは休み?
テンゾウは、私たちの様子に気づいたように、言葉を付け足し、本を閉じた。
「イタチは用があると言い、出て行きましたよ?あと10分か15分ぐらいで帰ってくると思います」
「用?ま、すぐに戻ってくるか、イタチなら」と、カカシ。
テンゾウは、あ、そういえば、先輩、と思い出したように、カカシに向かって話を始めた。