第3章 呼び出し
「本当ですか、三代目!」
声を荒げた花奏は、猿飛様に詰め寄る勢いだ。
「花奏、下がれ。まだ話の途中だ」オレは牽制するように声を出すが、自身も腹わたは煮えくり返り、沸点は上がりきっていた。
「たった今報告が上がったのじゃ。暗部2名が今しがた殉死した。大名の護衛任務をしておったが、金銭目的の盗賊と抜け忍による犯行じゃよ」
「その任務は……オレの班の部下ですね。そういう事態も想定していましたが、しかし、簡単にやられる彼らではなかったのですが……」
最近暗部に入隊したばかりの16歳と15歳の若い忍だ。花奏が指導していた、くノ一と、忍だった。
2人が抵抗も出来ず、助けも呼べぬほどの実力者が敵にいるという事だろうか……。
三代目は、更に話を続ける。
「カカシよ、被害は深刻じゃ。大名の一般の民も何人も惨い状態で見つかっておる。金銭を奪うだけでは飽き足らないようじゃ。まったく……白昼堂々と……。木ノ葉も舐められたものだ」
キセルをフゥ…と、ふかした三代目は、震えながら席を立つ。
「カカシ、花奏、さらにテンゾウ、イタチを連れて、後を追え」
三代目はさらに次の言葉で話を締め括る。
「目には目を、歯には歯を、という言葉を知らぬようじゃ。命は命で償ってもらえ。1人も残してはならぬ。殲滅させろ」
深く低い声が火影室に広まった。
「「はっ」」
瞬身の術を使い、瞬時にその場を後にした。