第15章 突然
「ちゃんと戻るんですよねー? しかし……、若返ったあと、どうやって戻るんですか?」
「腹にチャクラを貯めて、解、と言えば元通りじゃ」
「あー、そうなんですね」
……それは簡単だ。「解」と言えば良い。7歳になる頃から任務についていた私だ。チャクラを練ることなど余裕だ。
「よし、分かりました。 潔く飲みます」
ひょいと口に入れた時、
カカシが驚いた表情で私を見た。
「ちょ、ちょっと、花奏!
今飲まなくても良いでしょうが!」
と言われた時には
すでに遅し。
ごっくんと、
喉を薬が通過した後だ。
「………… 大丈夫か?」とカカシ。
「……え? うん……」
固唾を飲んで私をみんな見ている。
数分経った。
「………………あれ?
なんも起こりませんよ?三代目」
パックンもソファから飛び降りて、近くに寄ってきた。
「大丈夫か? 花奏……」
見上げるパックン。心配そうな表情で私に顔を向ける。
「うん。 大丈夫だよ? 三代目、これ、欠陥でしょうか?」
「ふむ……、人間には効かないのかもしれぬな……失敗じゃろうか……」
三代目が頬杖ついてキセルから、息を吐いた。反応がなく落ち込まれている。「マウスはすぐに反応が出たがのぉ……」
と呟かれる三代目。
いや待ってよ。
ねずみの次は私って
おかしいでしょう。
「本当に、何ともないんだな?」
カカシが私の顔を覗いて、反応を見ている。真剣な表情で。
「うん……なんとも……
ーーーっ!!!!」
喋ったあと、
私の名前を呼ぶカカシの声が
聞こえたけれど、
その声はすぐに遠くに離れた。