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お菓子詰め放題(ジャンル各種)

第7章 時々おかしい刀剣男士(髭切)









「...少し切ってしまったようだね。」

「...ま、まぁ、こんなに小さい傷ならすぐに塞がるよ。」

「.......、」


彼の手のうちから離れようと手を引こうとしたものの、未だに離そうとしない彼の手によってそれは阻まれた。

ぷっくりと浮かんでいる血をじっと見たまま、彼は動かない。

不審に思った私が声をかけようとしたその時、彼がようやく口を開いた。


「...赤いね。」

「...、え、...そりゃあ、血だからね...。」

「....ねぇ、どんな味がするのか、気にならない?」

「えっ、血が?」

「うん。」


一体何に興味を示しているんだ、と思いつつも、彼の興味津々なその瞳には勝てない。
じぃっと見つめられるのもいい加減恥ずかしくなってきたし、血の味なんて知ったことではないのだが。


「...鉄の、味がする。」

「鉄?僕たちみたいな?」

「えっと、それとは少し違うけど...、なんていうかこう、生臭いというか...。」

「魚みたく?」

「ううん...、それも少し違う...、あ、錆びた鉄に似てるかも。」

「...ふうん、錆びた鉄ね....。」


納得のいっているのかいっていないのかよくわからない曖昧な返答に、私もどうしていいかわからなくなる。

だいたい血の味なんて例えがあったとしても、匂いなどだけだろう。実際の味なんて例えが難しい。だって、血は血なのだから。

そろそろ離して欲しい、そういう気持ちを込めて髭切を見つめると、不意に彼の口元が弧を描く。

途端に何故か嫌な予感がして身体を引こうとするけれど、より一層強い力で私の腕を引き、そのまま彼に腕を取られた。




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