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たいようが昇る頃

第3章 第2章 つきが訪れる


「ねえねえ、楓ちゃん。坂本くんのことまだ好き?」
同じクラスの女子に話しかけられた。坂本くんとは、私が1ヶ月間付き合ってた人。付き合ってたと言っても、全くなにもしておらずデートだってしたことない。
「え、いや。全く好きじゃないけど...。なんで?」
「それがさー、坂本くんまだ楓ちゃんのこと好きなんだって!」
やめてくれ、吐き気がする。人に好意を持たれることは、あまり嬉しくないことなのか。
「楓!」
廊下を俯いて歩いていたら、例の元カレ。坂本くんに声をかけられた。
「俺...さ。まだ楓のことが好きなんだ!!」
「ごめん。私、好きな人いるから」
ま、好きな人なんていないんだけど。彼を諦めさせるには嘘でもつくしかなかった。
「だ、誰なんだよ?」
「...それは、秘密...かな」
「...野だろ...。」
「え?」
「北野だろ。お前、俺と付き合ってるのにいつも北野の話ばっかだったよな。浮気してたのかよ!」
そー言って、彼はポケットからハサミを取り出した。
「ちょ、なんでハサミ...?」
その瞬間、彼はハサミを持って走ってきた。中学に入学してから伸ばしてきた髪を掴まれ、切られそうになる。怖くて逃げられなかった。私は反射的に目を瞑る。
"ジョキッ"
切られた音がした。ああ、切られちゃった。家帰ったらなんて言おう。目を開けて見ると確かに髪の毛は落ちていた。しかし、私の髪ではなかった。
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