第6章 戦争
「アッ、ヤーシュ様、ちょ、あぶな…!」
グイグイと引っ張られ、湯の中にダイブした。
浴槽に膝をぶつけた。痛い。
「ヤーシュ様、あぶないですから…」
と言う口は、ヤーシュ様によって塞がれた。
「むぐう…」
水に濡れて重くまとわりつく湯浴み着の下から、ヤーシュ様の肉棒が侵入してくる気配を感じた。
前戯もなしだなんて!
幸か不幸かお湯の中だから、それほどの痛みはなかったけれど、でもなんの準備もなくいたされた行為は、体の中をドズンとハンマーで殴られたような重みがあった。
「うっ…ううっ」
「ペシェ…ペシェ」
ヤーシュ様は私の名前を何度も呟きながら腰を振るった。
お湯がバシャバシャと波を立てる。
せっかく沸かしたお湯なのに、どんどん流れ出ていく。
ヤーシュ様、ここまで荒々しいの初めて…。
「うあぁあうっ!いたたぁ!」
突然ヤーシュ様が、ガブリと私の首筋に歯を立てた。
「いたっ…ヤーシュ、さま、なに…!やめっ、やめて!」
グリリと、尖った歯が肉にめり込んでくる。
いたい。いたいいたいいたいいたい。
私の喚き声に呼応するように、ヤーシュ様のものはいっそう硬度を増して、私の内奥を蹂躙し続けた。
「ハッ、ぁ、ダメ、ああっ…こんな、うう」
痛みと性感がグルグルと脳をかけめぐって、おかしくなりそう。
ヤーシュ様は獣みたいに、何度も何度も私に歯を突き立てた。
こわい。いたい。こわい。
ああ、そういえば。
──戦争というものは人間の感情を昂ぶらせるものです。特に閣下はその傾向がお強い。覚悟して、強く覚悟して待っていなされ──
そうかあれは、こういうことだったんだ。
戦場で命のやり取りをするヤーシュ様は、人の心を忘れてしまうんだ。
頭がキリキリして、もう意識も飛びそうだと思った時、ヤーシュ様がポツリと呟いた言葉が耳に入った。