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モデルのボーダー隊員(前のストーリーとは少々異なります)

第2章 仕事


目の前に突然現れたトリオン兵。辺りは騒然とし、逃げる人でごった返している。何故ここに現れたのかは後にして、まずは僕達も逃げる事を優先する。

「瑠衣!」
「う、うん!」

瑠衣の手を引いて逃げる。瑠衣が逃げながら本部に連絡を入れていたのを確認出来たから、5分ほどでボーダーが来るだろう。
後ろから轟音が聞こえてくる。振り向くと建物が壊されていた。幸い中に人は居ない事を確認しもう一度モールモッドの方を見ると、その近くに逃げ遅れた子供がいた。

「瑠衣!先に逃げてて!」
「明希!?」
「あそこに逃げ遅れた子供がいる!助けないと!」

瑠衣の返事を聞かずに子供のもとへ駆ける。さっきの轟音に驚いてつまづいてしまったようだ。

「もう大丈夫だよ。一緒に逃げよう」
「う...うん...」グスッ

よほど怖かったのだろう。涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっている。ハンカチを渡して子供を抱っこし、瑠衣のいる方へ走る。さっきよりも近い所から再び轟音が聞こえる。

「明希!危ない!」

瑠衣の声にハッとして後ろをチラリと見る。そこにはすぐ後ろにまで追い付いたモールモッドがいた。
余所見したせいで何かにつまづいて転倒する。子供を庇った為に頭を少し打ち付けて鋭い痛みが走る。
頭を抑えて起き上がると、目の前にモールモッドがいた。
その大きな目が僕達を捉えているのにすぐ気づき、すぐさま抱えていた子供に走るよう叫んだ。
子供が反射的に走るのと同時にモールモッドのブレードが振り上げられる。
痛みで動けない僕は死を覚悟して目を閉じた。


(あれ...?)

いくら待っても感じるはずの痛みがない。不思議に思いそっと目を開けると、モールモッドが倒されていた。

「え...?」
「大丈夫か?って血ぃ出てんじゃねーか!」
「君、今治療班呼んだからもう少し待ってね」
「え、あ、はい...」

声を掛けて来たのは金髪ツーブロックの男性と、糸目の男性だった。取り敢えず、僕は助かったのかな?

「明希ー!!」

後ろから瑠衣が抱き付く。

「明希が死ななくてよかったぁ...」
「あぁ、泣かないで?心配かけちゃってごめんね?」

泣きそうな瑠衣に優しく声を駆ける。

「僕は大丈夫だよ!ちょっと血が出てるけどコレくらい平...き...」

視界が暗転する。血が出すぎてしまったようだ。
遠くで瑠衣の呼ぶ声が聞こえる...
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