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清廉の君に紅を【刀剣乱舞】

第1章 篇首 【夢】


『ばば様?.....じじ様どこ!?みんなどこへ行ってしまったの.....熱い...怖い.......みんな...どこ.......』





━━あぁ、またこの夢だ。
大丈夫、すぐにあの優しくて暖かな声の人が私を抱きしめて名前を呼んで下さる。
だからもう少しの辛抱...

しかしそこで夢は途絶えた。否、私はそこで目が覚めたのだ。
茹だる様な熱さ、外からは誰かの悲鳴や何かの壊れる音がする。
只ならぬ気配を感じ私は外へ蹴鞠のように飛び出した。

外は...真っ赤な炎の海.....それは宛ら大焦熱地獄の豪火を地上に持ち出してしまったかのように燃え盛り、家屋や自然だけでは飽き足らず、人の身すらも安易に灰へと変えていった。
これが阿鼻叫喚か...神よ、私共は今まで誰に御使いしたきたのでしょうか?
それとも此処で死すことが私共の運命なのですか?


...これはまだ夢の続きだといでも言うのだろうか。それならばそうであって欲しい。
いつか現実に起こるのではないかと、怯えてはいたものの、どこか達観していたのだ。
だが、やはりこれは夢でない。離れていても肌が焼ける感覚と噎せ返る様な煙.....達観などしていられない。
恐れていた事態が、、、遂にあの夢が現実になってしまったのだ。



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