第7章 6day
「…何顔赤くしてんだ。」
「だ…だって、緊張して…。」
「おれは話がある、と言っただけだが?」
「分かってますよ…!話って何ですか?」
トラファルガーはベッドへ腰掛け、隣をぽんぽんと叩いた。それに促されは恐る恐る彼へ近付き指定された場所へと腰掛ける。
「これからパンクハザードへ向かう。」
「パンクハザード?」
「以前、海軍の青キジと赤イヌが衝突した場所だ。今は誰も何も住んで居ねぇ事になっている。…だが実際は違う。シーザー・クラウンという男が実験を続けている筈だ。」
「シーザー…クラウン…。」
その名前を聞いた時、は顎に手を当てて悩む素振りを見せた。どこかで聞いた気がする。というか、話した事が有るかもしれない。
「…どうした?」
「……その人、知ってるかもしれません。でんでん虫で話した事が有るかも。」
「シーザーと?」
「はい。…ドフィに捕まっていた時、勝手に電話に出て凄い怒られたので覚えてます。」
「…おい、待て。それはドフラミンゴの事か?捕まっていた事すら初耳だぞ。まさかこの首輪も…アイツの付けたものか。」
「え……。あ…はい。」
トラファルガーの探るような鋭い視線がに向けられる。はビクリと肩を震わせ距離を取ろうと腰を上げた。…だがそれをトラファルガーは逃さない。彼女の肩を掴み、ベッドへ上半身を押し付け細い体躯を跨ぐように飛び乗る。
「…の兄が、ガキを作ると羽根が抜け落ちると言ったな。」
それだけ言うと、はサッと顔を青ざめさせた。その反応にトラファルガーは瞠目する。何故、初めて出会った頃の翼は散りかけていたのか。身体に受けていた傷は浅く、羽根ばかりいたく傷付いていたのは、何故だったのか。
その疑問が一気に解消されていく。それと同時に腹の中を渦巻く嫉妬心に唇を噛んだ。
「…孕んでは無ェんだな。」
「はい。それに私は彼に恋心を抱いた事は有りませんから。」
は強く頷いた。それでもトラファルガーに芽生えた嫉妬心は簡単には治まらない。だからといってここで今、を抱いたとしても気分は晴れない気がする。寧ろ、更に自分の中の感情が黒く染まりそうだ。