第6章 約束
「ん~~」
彼女がうめき声をあげたので、顔を上げると、彼女は上体を起こしていた。
まさかバレた?と一瞬ドキドキする。
「…ごめん。私寝ちゃってたみたい。」
彼女は眠そうな顔でそう言う。バレていない様子に彼は安堵した。
「別にいいよ。今晩はここで寝ていけばいい。俺は起きてるから。」
「だめ。部屋に戻る。」
彼女は誘いの言葉も虚しく、ベッドから立ち上がり、部屋を出ていった。
なぜ彼女は部屋に戻ったんだろう、もしかしてバレている?と一抹の不安を覚えたが、深くは考えないことにした。
1人残った部屋では大きなお腹のなる音が響いたという。