第6章 約束
「んっ……」
彼女は夢を見ているのか、小さく声をあげ、身じろぎする。擦れる太ももに合わせてネグリジェの端がひるがえる。肩の部分も片方はだけてしまった。
彼はゴクリと息を呑んだ。
ドクンドクンと心臓が打ち付けてくる。彼はおもむろに彼女の唇に口を近づけていく。
もし起きていたら終わりかもしれない、そう思ったが、性欲と食欲が彼を追い立てる。
とりあえず触れるだけのキスをした。彼女は変わらず寝息を立てている。
舌をからめとって、吸って、彼女の息を上がらせたい。彼女は歯列をなぞるとイイみたいで、身体をビクリとさせる。本当は彼女にも舌を絡めてきて欲しい。求め合う様に唇を重ねたい。
そんな妄想をしてるうちに彼は思わず、唇に吸い付き、舌を浅く侵入させてしまう。すると意外なことが起こった。
「んん…。」
彼女が控えめにだが、彼の舌を舐めたのだ。彼は思わず高揚してしまい、少し深めに舌を入れた。
「うぅ~~~!」
急に彼女の腕が飛んできて、彼はどつかれてしまった。彼女はその後も動きを緩めず、寝返りをうつ。どうやら寝相だったようだ。