第6章 約束
男はバスルームへと向かう。
「あっあのバックス様。」
少女は身体の倦怠感を振り切って、男を引き止めた。
「ん?」
「今夜はその…もう終わりなの?」
「うん。今夜もよかったよ。」
少女のすがるような瞳にも気づかず、男はバスルームへとその姿を消す。残された少女は先ほどまでの幸福感がどんどん薄らいでいくのを感じ、ベッドのシーツをギュッと掴んだ。
(あの女…ね。)
そう少女はバックスが新しくきた女に夢中になりつつあることに勘づいていた。セックスをしていてもいつの間にか上の空になっていることなど初めてだ。
そして少女はなんとかしなければと考えたのだった---。