第3章 『お世話』
シャワールームとは言っていたが、シャワーと風呂釜が別になっている浴室だった。
熱いシャワーを身体にかけると何かが流れていく感じがする。股にシャワーを当てて洗うと、ヌメヌメとした感覚があった。正直、結構感じてしまっていた自分の身体に改めて気づき、頬が熱くなる。頭の中にあいつの顔が浮かんできて、言われたセリフもぐるぐるまわる。
その時、突然シャワールームの扉がノックされた。
「お嬢様。お背中流しましょうか?」
先程の世話係の声が聞こえた。
「えっ!?いや!大丈夫ですっ!」
「そうですか。何かあればなんなりとお申し付けください。」
扉の向こうの影が消える。
普通世話係に背中を流させるものなのだろうか??
私はそんな疑問を感じながら、洗体を終えて風呂につかる。
「はぁ---」
ほっとする感覚だが、未だに現実感がない現状に無意識に難しい顔になる。風呂には横に長く鏡が貼られていて、浮かない顔をした自分の顔が良く見えた。
もともと長風呂ではない性分なので、ちょっとつかった後、シャワールームを出た。
洗面所に出ると少しひんやりした感覚が体を包む。
「お疲れ様でした。」
「ひゃっ!?」
シャワールームの扉の横にあの世話係が待ち構えていた。
私は思わず悲鳴をあげた。