出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】
第7章 第7話
三輪にしては珍しく見逃してくれた。
…少し怪しいような気もするが、三輪なら大丈夫だろ。
…たぶん。
三輪が話は終わったと歩き出したのでおれもついていく。
「おっ、なんだよ二人して〜〜、何話してたんだよ?」
「なんでもない。行くぞ」
「へいへい」
三輪は槍バカをつれて教室から出て行く間際に日向をチラリと見、何も言わずに行った。
……………………………………。
この監視の件、2日目にして俺を含め2人にバレたわけだが。
やっぱりセキュリティ甘すぎたんじゃないか?
「…出水くん」
凛とした声が教室に響いた。
「あっ、ひゅ…じゃなくていぶき...」
「もう他に人いないから日向で大丈夫だよ」
言われて見回すと、俺と日向しか教室にいなかった。
「今日はありがとう。助かりました」
「いや…ところで、風間さんか太刀川さんから連絡来てたりする?」
今日一日家を空けたのだ。
太刀川さんは会いに行くつもりだったみたいだし、おそらくきていると思ったんだが。
「あ、太刀川さんからは何件か来てた。風間さんからは来てないよ」
?
風間さんから連絡がないのは予想外だ。
「おとといのうちにしばらく実家に帰るって言っておいたの。この3週間はホテル取ってもらってるから家には帰らないし」
「ホテルか…なるほどな」
一応極秘任務だからな。
周りに知られないようそうしたのかもしれない。
…三輪に見られているくらいだ、やっぱりあの飲み会は失敗だった。