出水と太刀川さんと風間さんに挟まれる話。【ワートリ】
第7章 第7話
目覚ましの音で目を覚ました俺はいつもより気分良く起き上がった。
昨日早めに寝たからだろうか。
スマホを見てみると、通知にメッセージが来ていた。
「メッセージ 2分前:日向 おはよう!」
「メッセージ 1分前:日向 起きてる?」
「………!!」
俺は光の速さでメッセージを返す。
「おはよ!今起きた」
まるでモーニングコール…いや、モーニングメッセージ…?なんか語呂が悪いな、何か他に……と考えていると、スマホが振動した。
「よかった!今日もよろしくお願いします」
…こういうのは気持ち悪いかもしれないけど………ちょっとカップルみたいでにやにやしてしまう。
「こちらこそ」
俺は自分の気持ち悪さを露呈させないようおとなしめの文章にしておいた。
外で日向と話すことはできない。
誰が見てるかわからないからな。
日向の受けた任務の条件は、監視を怠らないこと、俺に正体(監視役ということ)がバレないこと、他の人間とも極力喋らないこと、だそうだ。
だから俺と日向の関係がバレないよう会話するにはこうしてメッセージでやりとりするしかない。
そういう意味をこめてのメッセージなのだから、変に受け取ってはいけない。
「さて、準備準備」
話はできなくても姿を見ることはできる。
会えないよりは、何倍もマシだ。