第2章 目覚め
シャワーを浴び終えて、私は母に用意された服を着た。
白いふわふわのオフショルに短パン…なんか恥ずかしいというか柄じゃないような。
何故か用意していた水着が入ったバッグを手に持ち、玄関のドアを開けた。
松岡という人がスマートフォンの画面をじっと見ていた。
「遅いぞ、悠。皆んなには俺から言っといてやったから、ほんと感謝しろよ?」
口の端をニッとあげて白い歯を見せた。
「ありがとう…」
「おう、じゃあ行くぞ?」
私は彼の数歩後ろを歩いていく。
今からどこに行くんだろう…
「なぁ朝から思ってたんだけどよ、お前どっか調子悪いんじゃねーか?」
私はすかさず首を横に振る。
「それとも怖気付いたか?」
ニヤニヤと私の顔を見つめる。
彼は身長が私よりどれほど高いんだろう、目線を合わせるために屈んでるけど結構差があるよね?
あと、顔が美形だ。真っ赤なルビーみたいな目に、少し黒みがかった赤い髪。
「綺麗…」
私は思わず口を押さえた。
松岡君もびっくりしている。
「やっぱ、今日はやめといた方がいいんじゃねーの?
本当に頭おかしくなったのか?」
彼は顔を横にフイッとそらした。