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そこから見えた景色

第2章 目覚め


「ったく朝から何なんだよ。あいつ。」

俺は校舎の壁を蹴った。

「朝から悠、あんな感じだったの凛?」

真琴がまぁまぁと俺をなだめる。

「ドッキリにしては可笑しい。」

ハルは心配そうに呟いた。

「というか悠追いかけなくても良かったの?大事な約束でしょ?」

真琴が不安そうに顔を覗き込んできた。

「別に家から近い距離だったからいいだろ。あぁ…もう泳ごうぜハル。」

「あぁ…でも」

「いきなり誰って聞かれて、約束のことも忘れて…
なんなんだよ。記憶喪失にでもいきなりなったってか?」

苛立ちを抑えきれず、少し声が震えた。

「記憶喪失…ねぇ凛、もしかしたらそうなんじゃないの?」

真琴が少しトーンを落として言った。

「んなわけねぇだろ!じゃあなんでだ⁈」

「何か原因で僕らに関すること忘れてしまってるんじゃないのかな?」

真琴がメールを打ち始めた。

「どうせ明日になればドッキリ大成功とか言ってケロッとしてるだろ…」

俺はハルに行くぞと声をかけ、プールに歩き始めた。

その時は本当に記憶喪失だって思いもしなかったんだ。
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