• テキストサイズ

高嶺の華

第9章 どっち?






「いいよいいよ!そんなに運ばなくて」



「いいえ。さんは女性なのですから、私と五分五分に運ぶ必要はありません。」




「でも、私が日直なわけだし」




「ダメです。これは私が勝手にしていることなので気にしなくて良いです。さぁ部活に遅れないように行きましょう」




「あ、ありがとう」












これ以上言っても聞いてくれなさそうなので、お言葉に甘えて運んでもらった。



柳生くんはずっと敬語だし、なんだかちょっと他人行儀?と思っていたけど運ぶ間ずっと話してくれていたし、部活に遅れた時も幸村くんに私の手伝いをしたとは言わずに謝っていた。




私はいえばいいのに、と思ったが彼の考えがあるようだし、幸村くんも柳生くんはサボったりしない人だと分かっていたから怒っていなかったし、良かった。


















「さん、一緒に帰りませんか?」



「あ、柳生くん。いいよ、ちょっと待ってね」



「はい」













帰りを柳生くんから誘ってくれたのは今までなかったから驚いた。




柳生くんはいつも仁王とか、というかそもそも私が準備して帰る頃にはもうほとんど全員帰っているからどうなのかもよく分からないけれど。












「あ、そうだ。そういえばささっきノート運んでくれてありがとうね」



「え、…えぇ、」




「?…それでさ、なんで運ぶの手伝ってた、って言わなかったの?」




「…プリッ」



「は?」











今、プリッて言わなかった?

あれ、もしかして、これ柳生くんじゃなくて…













「…仁王?」



「え」



「仁王でしょ」



「…もうバレたか、今まで1度もばれんかったのにのう」



「もう分かるよ、今までの私みたいにすぐ騙せないからね!」



「…」















それにしても入れ替わり?はすごい。



生で見たら全然分からなかった、


プリ、と言うまで柳生んだと思っていたし、これじゃコート上のペテン師、などと呼ばれているのにも納得できるわ。
/ 27ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp