第9章 どっち?
「おや、さん」
「あ、柳生くん」
「こんにちは。今から部活ですか?」
「ううん。コート整備しようと思ってたんだけど、ちょっと荷物運べって先生に言われてるから幸村くんに遅れるって伝えといたよ」
「そうですか。…荷物と言うのは、これでしょうか?」
柳生くんが指さしたのは50冊ほどのノート。
立海はマンモス校なので、1クラスの人数も多い。
その上にクラスの数が半端ないので日直に当たるとノートを運んだり書類を手伝ったりとめんどくさいことこの上ない。
「そうだよ。今から資料室にね…」
「良ければお手伝いしますよ」
「え、でも、柳生くんは部活…」
「構いませんよ。2人で運べばすぐに終わります。それに大事なマネージャーが怪我するわけにはいきませんよ?」
「わ、わかった。ありがとう」
そう言うと柳生くんは半分どころか8割ぐらいのノートを持ち上げた。
流石運動部…じゃなくて、これじゃ私が運ぶ分が申し訳程度しかない。こんなの誰でも片手で楽々持てるレベルだ。