• テキストサイズ

あなたがいてくれるなら。【FF7】

第1章 うそみたいなできごと。


学生の頃にいい成績を修めてたとか、案外関係ないんだよね。

大事なのは人に好かれてるかどうか、とか
どんな道を選んでいくか、とか。
そういうのが大事なんだと思う。

学生時代にどんなに成績が底辺でも、人に好かれれば、なんてことはない。
人に迷惑をかける人こそ、得をするんだ。
それもわたしが学校で学んだこと。


ちなみにわたしは、そのタイプの人間じゃないから得をしていない。

手のかかる生徒ほど先生によく目をかけられ、得をする。
わたしは人に迷惑をかけたり、怒られたりするのが嫌な性分だから、それを回避するために良い成績を修めてた。


その結果が今。

大学に行く意味がわからないと言って、受験から逃げた。
逃げた結果、トリミングの専門学校に通い、卒業後、2年ほどトリマーとして働いた後、今は居酒屋でバイトをしている。



なんだこれ、って思った。
いや、思ってる。



動物が好き

絵を描くのが好き

ゲームが好き


わたしの好きなものは大体この3つがメイン。
絵を描く仕事をしようとも思った。
けど、何を犠牲にしてもその夢を追いかけれるかという自分の問に、わたしはNOと答えた。根性がなかった。
だから、趣味で終わらせようと思った。



ああ、あと音楽が好きかな。
ロックバンドとか、好き。
LIVEに関われる仕事もいいなって思ったけど、思うのが遅かった。出来れば、進路選択の時に考えついていたかったなあ。
今からは目指せないと思ってる。これも、根性無し。




安い家賃のところに一人暮らしをしている。居酒屋のバイトって時給が案外よかったりする。しかも学生時代と違って、フリーターだからなんぼでもシフトを入れれる。



昼夜逆転してしまったりするけど、その分、時々浴びる日光の心地良さがわかるからこれはこれでいいかな、なんて思ってる。




「えーっと…忘れ物…ケータイと鍵さえあればいっか」


部屋を見渡してもただバイトに行くだけだから特に用意するものなんてない。



「よし、行こ……っととと、」

玄関に向かおうとして忘れ物に気づく。


「レノ、行ってきます」


ベッドの枕元に置いているレノの可動するフィギュアに声をかける。FF7のタークスのレノ。どの作品のどのキャラよりも好き。大人になって、思い切って買っちゃった。

/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp