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Blood Moon Night

第3章 焦り


ロイゼンが少し間を置いてから、改めて書類の束に目を落とす。
その書類には連れ去られた人達の名前が記載されていた。
リストの中段辺りには【キサラ・プランシェ】と記載されている。
それを見ると大切な人が連れ去られたことを痛感してしまって、前向きに考えることよりも焦りと不安に身体ごと包み込まれてしまいそうで、何よりも怖かった。

ロイゼン:「……。引き続きお伝えします。攫われた人達についてですが、大半が女性が連れ去られています。」

そう伝えると、ハンター達は焦った顔をして仲間達と顔を見合わせた。
ハンターの一人がロイゼンとギルド長に向けて、質問と確認が入り混じったような言葉を投げかけた。

ハンター4:「そ,それは。男のヴァンパイアが数多く居るということ、なのでしょうか……?」

ロイゼン:「そういうことになりますね。ただ、今回はいつもより戦いが厳しくなると思います……。」

その言葉を聞くとハンター達はざわめきだした。
『何故だ?』 『私たちでは太刀打ちできないのではないか』 『そこまで危険ならば早く妻を助けなければ!』などといった言葉が聞こえてきた。

「不安に打ちひしがれても、戦わなきゃいけないっていう現実は変わらないでしょ。」

声がした方にハンター達が一斉に振り向く。
はぁ、とため息をつきながら苛立った表情でハンター達を見る中性的な顔立ちの貴族が腕組をして立っていた。
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