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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第11章 姫巫女とハロウィーン


「さっきのさ……コンペイトウ……だっけ? 今度、また分けてよ。気に入ったからさ」

「本当ですか⁉︎ はい、喜んで!」

 自分の好きなモノを好きだと言ってもらえるのは嬉しい。

 ジョージの言葉が嬉しくて、「ありがとうございます!」と笑うと、彼は大きな手で鼻から口元を覆って顔を隠した。
 赤い髪から覗く耳が、心なしか髪と同じ色に染まっているような気がする。

「どうしたんですか? どこか具合でも……?」

 どこか具合でも悪いのではないかと訊くと、ジョージは勢いよく首を振った。

「い、いや! 何でもないよ、何でも!」

「そうですか? なら、いいんですが……」

 歯切れの悪い返事に首を捻るも、本人が言うなら何でもないのだろう。

「じゃあ、フレッドが待ってるし、僕はこれで。またね、シオン!」

「はい。では、また」

 大きく手を振って去って行くジョージに、シオンも小さく手を振り返した。

 そこで、ようやくヒマワリたちの姿がないことに気づく。
 はぐれてしまったのか、置いていかれてしまったのか。
 これだけたくさんの人がいるのだから、はぐれても仕方がないだろう。

 知り合いがいない状況に不安を覚え、シオンはギュッとローブの裾を握る。

 そこへ、再び声を掛けられた。
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