俺がヒーロー目指しちゃダメですか【おそ松さん×ヒロアカ】
第2章 黒の世界
暗い闇夜に響く数個の足音。
「おい、ブツはちゃんと持ってんのか」
「当たり前だろ。ここで落としたら松野組の奴らに何されるか…」
『松野組が、どうかしたのですか?』
ジャリ、と地面を踏む音が聞こえ
男たちは息を詰まらせて、ゆっくりと後ろを振り向く。
そこには、灰色の着物を着た男が銀色の瞳を光らせながら立っていた。
「(こ、コイツは…松野組の…!!)」
『大正解だ。ゴミに使い道はないと思っていたが
それくらいの知能は持っていたのですか。褒めてあげましょう。』
「っんだとテメェ!…って、なんで俺の考えてたことが…」
サァーっと顔を青くさせた男たちを見て、灰色の男は
ニヤリ、と嫌な笑みを浮かべた。
「(コイツ…!よりにもよって、六つ子の弟の…)」
『またまた正解です。ゴミからゴミクズにまで昇格しましたね。』
「チッ、勝手に心読んでんじゃねええええ!!!」
ニヤリとあげた口角をそのままに、灰色の男は
胸元に手を置いた。その手はまるで体に飲み込まれるように
ドプリと胸元の飲み込まれ、手首まで埋まった。
そして引き抜いたときには、手には銃を持っていた。
「っっ」
「ひっ、まだ死にたくなっ」
「頼まれただけなんだ!」
『さようなら。来世では“ゴミクズ”ではなく“人間”に生まれることを願っております』
ドン!
静かな暗闇には銃声が響いた。