第19章 守りたい日常
「えっええっ!今は、今は体、大丈夫なの?」
明らかに動揺する楓を見ると本当に情けない気持ちになる
「ごめんな、大丈夫。それで、まぁ、そのな…家に連れていかれそうになって
道中、その……、キスをされそうになったんだよ」
「…っ!!」
思い出しただけで気持ち悪くて仕方がなかった
「それで、咄嗟にクナイを自分に刺して目覚まして、女性らは逃げて、オレは今ここにいるって感じ」
「……」
楓は何か考え込んだように黙っていた
「嫌な気持ちになるよな、ごめん。ただ、本当に疲れちゃって、無性に楓に会いたくなったから来ちゃった」
「いや、そんな…嫌な気持ちなんて…ただ本当に、今先生がここにいて良かったって安心してるところだよ。連れ去られてたら今頃なにされているか…」
楓はオレの体調が気になるのか不安そうに手を握ってきた
「…酒臭くて、こんなだらしなくても好きでいてくれるんだな。」
「そんなの、カカシ先生悪くないもん。寧ろ疲れちゃった時に会いたいって思ってもらえるのすごく嬉しいなって。
…でも、やっぱり先生はモテるんだねぇ」
楓はなんだか浮かない表情で頬をぽりぽりと人差し指でかいていた
「……してないよ。キス。」
「…えっ!いや!そんな…そんな状況でされてもしょうがないしそんな事私気にしてなんか……
「気にしてなんか…ない?」
「…………嘘です……。
でもね、怪我はしてほしくなかったし、今は無事だったことも含め安心はありつつも、複雑で…」
可愛い。本当にまっすぐで、楓を見ているだけで自分は素直になれる気がしていた。
「楓に会いたかったんだ。
正直今日はしんどかったんだけどさ、今はすごく幸せ」