第11章 徘徊×ノチ×再開
「この建物を一歩出たら、おぬしはワシらと同じ!ハンターとして仲間でもあるが、商売敵でもあるわけじゃ。 次に会うまで、おぬしの息災を祈るとしよう。 では解散!」
「ありがとうございました!」
翌日、再び講習を受けた部屋へと案内されるとネテロ会長とビーンズさんがいた。
昨日の会話に関して聞きたい事があったが、話を切り出す勇気が出ない。
結局別れの挨拶だけを交わして建物を出てきてしまった。
いくら考えても答えが出そうになかったので、考えるのを止めた。
これから天空闘技場へ向かおう。
まずは場所を調べないと。
ビーンズさんに聞けば良かったな。
だいぶ歩いてしまったので、その距離を戻るのは少し面倒だ。
幸い人通りも多いので聞いてみよう。
と、その前に芋を買わなければ。
「これ3つ下さい!」
「はいよ!ありがとさん!」
見つけた市場で芋を購入し、一文無しになった。
しかし!天空闘技場へ行けばお金が手に入る!
さて、質問をするなら、頭の良い人にするべきだろう。
頭が良さそうな、知的な人はいないだろうかと道行く人々を観察する。
しばらく観察していると、
あの人、絶対頭良い!!
向かいの通りに、本を抱えた知的な雰囲気を醸し出している男を見つけ、急いで後を追いかける。
「すみません!」
「はい?」
「………」
正面から見ると綺麗な顔をしていた。
特に、黒い瞳が素敵だ。
……大人の魅力、というやつかな?
こうして向き合っていると少し緊張するが、早速質問をしよう。
「天空闘技場へはどうやって行けますか?」
男は驚いた表情で私を見つめた後、困った様に眉尻を下げた。
「天空闘技場へは、ここから飛行船で4日は掛かりますよ」
4日も!?
だから驚いていたのか。
4日分もの距離が離れている場所を聞かれたら困って当然。
…………恥ずかしい。
あの男がここにいたら、間違いなく私を小馬鹿にしていただろう。
ともあれ、飛行船に乗る必要があるのは分かった。
これで辿り着けるはずだ。
「ありがとうございました!」
田舎者丸出しの質問をしてしまい、恥ずかしくて直ぐ様その場を離れようと思ったが、
「良かったら空港まで案内しようか?」
「………よろしくお願いします」
空港の場所も知らなかったので、お願いする事にした。