第9章 新しい玩具
「私も作ってみていいかな?」
今まで見ているだけだった彼女が、作りたいと言い出した。
「もちろん♣︎」
ぷるぷると手を震わせながら、一生懸命トランプを立てようとしている。
「………や、やった! 立った!」
苦労してやっと立てられた小さなトランプタワー。
でも、ボクが見たいのはそんな表情じゃない。
「なっ!?」
高く積み上がった自分のトランプタワーの頂上を、ツンッと指で弾いた。
パラパラと散っていくトランプは、隣にある彼女の小さなタワーを呑み込んだ。
「くくくくっ❤︎」
「〜〜〜っ!!」
そうそう、この表情だ♣︎